読書感想画コンクール 中学校の部(平成30年度読書感想画(結果))

市長賞

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「『自然』の中の音楽」
浅川中学校2年 吉田 郁美

芳ヶ江国際ピアノコンクール第三次予選課題曲の『春と修羅』には、「自由に、宇宙を感じて」と指示された即興の箇所があり、そこで栄伝亜夜が、風間塵が自然の猛威、『春と修羅』での修羅を表現したのに対し、返歌として母なる大地を表現しました。そこを読んでいて頭にうかんだ、日常の風景、自分にとっての母なる大地を描きました。 また、一見静かと思わせる植物等の生き物の中にも、音楽は満ちている、ということを表現しました。

読んだ本:蜜蜂と遠雷
作:恩田 陸

教育長賞

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「Time is Life」
石川中学校1年 田中 里沙子

私は「モモ」を読んで「時間とは、生きるということ、そのもの」と本文にあるとおり、自分の時間をどれだけ大切にするかによって自分の人生も変わってくると思いました。モモが色々な人に出会い、話を聞いた事や空想した事。そして物語に出てきた私の気に入った場面をうずのように色々な方向から書く事によって「モモ」の不思議な雰囲気を出せるように書きました。

読んだ本:モモ
作:ミヒャエル・エンデ

東京八王子西ロータリークラブ会長賞

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「人生が変わる瞬間」
浅川中学校3年 青木 星海

悩みや心配事を抱えた人たちが、ある電車の運転停止によって人生が変わってゆくのですが、その人生が変わった瞬間のそれぞれの生き生きとした表情を描きました。特に人に興味を持たない女子高校生の仁美の人生が変わって走り出した瞬間は、以前の仁美とは思えない、人のために必死に走る姿を鮮明に描きました。私も、そんな人生が前向きに変わるような体験をいつかしてみたいと思いました。

読んだ本:終電の神様
作:阿川 大樹

優秀賞

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「不思議な教室」
中山中学校2年 北垣 花映

主人公は、病気で学校に来るはずのない女の子が学校に居るという不思議な夢をみた。私にとってその場面がとても印象に残った。彼女が教室にいる不思議な状況から、窓から覗く空の色を普段とは違う様にしたり、彼女の透き通った様な性格をカーテンに例えてみたりした。教室には主人公と彼女の二人だけしかいないことで、より二人が印象的に見えると思い、机も一つにした。人や性格などからを背景のイメージに取り入れた。

読んだ本:君は月夜に光り輝く
作:佐野 徹夜

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「誰も気付かない逃走劇」
別所中学校2年 清水 七海

モモは町の人々がおかしくなった夜、人間の言葉が分かるカメのカシオペイアに導かれ、時間の管理人の元へと向かう。モモは人々の時間を盗む灰色の男たちに追われるが、モモや町の人々はこの逃走劇に気が付かない。私はモモ達が不思議な光の路地を通る場面を表現するために、玉子のオブジェの光や小石の影の位置をバラバラにした。又、モモの表情をカメを不思議に思うような感じにするため口や仕草などを工夫した。

読んだ本:モモ
作:ミヒャエル・エンデ

入選

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「下を向く者、前を見る者」
浅川中学校2年 五十嵐 杏月子

木の下にいるのは私です。この木は絶望によって流された涙で育ちます。  主人公は、困難があってもすぐ前を向き、立っている木、つまりその絶望で得たものに気付き、夢を見ていますが、私は下を向いたままで木に気付く事さえ出来ません。私はこの本から、辛い事があっても、すぐ前を向く事、その困難も全部夢のためにあるという事を学びました。それを忘れたくないという思いでこの絵を描きました。

読んだ本:アルケミスト ー夢を旅した少年―
作: パウロ・コエーリョ

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「幸せ」
浅川中学校2年 大野 愛

この話は、女の子が相棒のネコと一緒に、ずっと、「幸せとは何か」を考え、「幸せ」を求め、大人になるにつれて分かっていき実感していきます。だから、大人になった女の子が「幸せ」について実感しているところを表情を工夫して表現しました。

読んだ本:また、同じ夢を見ていた
作:住野 よる

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「真実」
中山中学校2年 片山 蒼衣

作中には絵の様なシーンはありません。完全に、自分がこの作品の主人公の気持ちを想像して描きました。真実を知った主人公の心情の大きな変化を、明暗を用いて表現しました。 明るい光の道を歩いて行く彼女と、「暗」にとりのこされた僕。 一見、彼女には希望があって明るい未来へと向かっている様に見えるかも知れませんが、彼女はもう死んでいます。その手に持っている「共病文庫」には彼女の死に方から感じられる未練や無念などのメッセージを込めました。技術的な面では、人物のうしろ姿を描くのははじめてだったのでとても苦労しました。とても楽しんで描くことができた一枚です。

読んだ本:君の膵臓をたべたい
作:住野 よる

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「深い孤独の森」
浅川中学校3年 上村 紗矢

この話は、育児を通して仲良くなった5人の母親の関係が受験などをきっかけに変容していく話です。手からこぼれ落ちる水は母親が築いてきた幸せがなくなっていく様子を表しています。また、夫や子どもとの関係が歪んでいく様子を曲がった時計や歯車を使って表現しました。幸せだったはずの母親たちが暗い森の入り口に気付かず入れば入るほど孤独になっていく様子を魚と色の組み合わせを利用して工夫しました。

読んだ本:森に眠る魚
作:角田 光代

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「思ひ出」
第七中学校3年 山上 怜奈

この本は自伝のような作品で、明治中頃の話です。言葉が難しくて読むのが大変でしたが、文章が美しかったので引き込まれていきました。 一場面ごとの情景描写がとてもわかりやすくて主人公の気持ちがよく伝わってきました。 銀の匙を見つけたことから回想が始まり青年期までの成長が書かれています。 叔母さんと疲れるまで戦いごっこをやるシーンが印象的でした。読み終わってからもしばらく心地よい気分でいられる本でした。

読んだ本:銀の匙
作:中 勘助